こんにちは、ToMO(@tomo2011_08)です。
今回は、持株会(従業員持株会)について考えてみようと思います。
弊社にも持株会があり、私も少しながら毎月持株会に投資をしています。
しかし、それは投資先として良いからということではなく、自分の会社だから半分義務として入会しているという状況です。
ですので、具体的な持株制度の中身は知りませんでした。
ただ、少しお得に自社株が買えるのだという認識しかありませんでした。
今回は、じっくり持株会について考えてみて、投資先としてどれだけお得なのか、投資する価値があるのかを考えてみたいと思います。
サラリーマンの方で、持株制度がある会社に属している方におすすめの記事になります。
目次
持株会について考えるきっかけ
弊社の持株会の制度変更のメールがきっかけでした。
そのときは何かよく分からなかったのですが、メールの内容は、なにやら奨励金が増額されるようなことが書いてありました。
それがきっかけで、少し調べてみようかと思いました。
そのとき、私は月いくら持株会に投資しているのか、奨励金は何%つくのかも把握していなかった状態でした。
最近、自身のポートフォリオを見直していることもあり、持株会について調べてみようと思いました。
(これまで持株会への投資は、私のポートフォリオの範囲外でした。)
持株会とは?
持株会(従業員持株会)とは、従業員から会員を募り、会員の毎月の給与や賞与などからの拠出金を原資として自社株を共同購入し、会員の拠出金額に応じて持分を配分する制度を指します。
なお、会社に従業員持株会があっても、持株会への加入は従業員の任意とされています。
従業員持株会の会員資格は「当該会社の従業員」であり、取締役や執行役などの経営陣は、会員となることはできません。
東京証券取引所が発表している「2020年度従業員持株会状況調査結果」のレポートによると、東京証券取引所に上場する3,752社のうち、少なくとも3,239社が持株会制度を導入しているとのことです。
加入者数も増加傾向にあり、293.6万人が加入しています。
近年の超低金利を背景に、有効な運用先として多くの会社が採用しているのが持株会です。
持株会の仕組み
基本的な仕組みとしては、以下の3つがあります。
- 自社株取得の原資として、会員から拠出金を募る(毎月給与等から一定額が天引きされるのが一般的)
- 持株会が自社の株式を共同購入する
- 買い付けた株式は、拠出金に応じて会員に配分される
持株会は株式を取得するための費用として、従業員の給与や賞与から定期的に一定額を拠出し、自社の株式を購入します。
従業員は各々の出資額(拠出額)に応じて、配当金を得られる仕組みになっています。
持株会を通して購入した株式は持株会のものであり、従業員が直接所有するものではありません。
例えるなら、分譲マンションなどと同じで共有持分となります。
持株会は、設立のために官公庁へ届出を出す必要がないため、一般的に組合の組織形態をとります。組合を設立するためには、設立発起人を誰にするか決める必要があります。
また、持株会の管理運営は、社内に置く場合と証券会社などの社外へ委託する場合の2種類があります。
一般的には社外の証券会社などへ委託する場合が多く見られます。
なお、従業員持株会は上場企業だけでなく、中小企業など未上場企業でも導入されているケースもあります。
持株会のメリット
持株会は従業員、会社双方に様々な影響をもたらします。
従業員にとってのメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 奨励金が付与される
- 株式を少額から購入できる
- 中長期的な資産形成がしやすくなる
個人的には、「奨励金が付与される」以外は普通に株式を購入するのと変わらないと思いました。
奨励金が付与される
従業員にとって最大のメリットともいえるのが奨励金です。
奨励金とは、従業員が自社株を購入する際、会社が一定割合の金額を上乗せし、その分だけ多く購入できる仕組みです。
持株会を実施する企業の9割が奨励金制度を採用しており、一般的には5%~10%の割合のケースが多く見られます。
例えば、奨励金が10%に設定されている会社において、「毎月1万円づつ持株会を通じて自社株に投資する」という場合であれば、実際に購入できる株式数は以下です。
株価が1,000円の場合の購入株式数
{毎月の購入株式金額10,000円+奨励金(10,000円×10%=1,000円)}÷株価1,000円=11株
会社によっては奨励金制度ではなく、その他のインセンティブ制度が付与される場合があります。
いずれの場合も、個人で株式を取得する場合には無い特典であるため、上手に活用するようにしましょう。
私も奨励金については、すごく価値が高いと思います。
株式を少額から購入できる
株式は通常100株単位(1単元)で取引が行われます。
そのため、最低単元の株を買うには数万円~数十万円必要になりますが、持株会では1株から購入できるため、無理のない範囲で株を保有することができます。
一般的な持株会では最低拠出額1,000円~数千円程度で、1,000円単位で取得できる場合が多く見られます。
このメリットは、普通の株式投資においても「ミニ株」等、株式の色々な買い方ができるようになっていますので、持株会に特別メリットがあるとは思えません。
中長期的な資産形成がしやすくなる
毎月一定額が積み立てられ、奨励金によって多く株式を購入できるため、従業員にとっては手間をかけずに資産形成を行うことが可能です。
業績によっては、配当金の増額も期待できます。
こちらのメリットも、普通の株式投資と変わらないと思います。
次に企業にとってのメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 福利厚生の充実につながる
- 安定した企業経営につながる
- 従業員の経営への参画意識、モチベーション向上につながる
- 事業継承対策として活用できる
福利厚生の充実につながる
奨励金などの便宜を与え、従業員の中長期的な資産形成を支援する持株会は、会社独自の法定外福利厚生として位置づけられ、多くの企業で採用されています。
福利厚生の充実は、対外的な評価や従業員の満足度にもつながります。
安定した企業経営につながる
会社にとって従業員持株会は、長期に自社の株を保有する安定した株主になります。
自社株が外部に流出することを防ぐため、第三者の一般株主から大量に自社株を取得される敵対的買収の防止の策にもなりえます。
多くの従業員が持株会に加入することで、安定的な企業経営につながります。
従業員の経営への参画意識、モチベーション向上につながる
自分自身の頑張り、会社の業績が自らの配当金に還元されるため、従業員の仕事に対するモチベーションや、株主として経営への参画意識の高まりが期待できます。
事業継承対策として活用できる
未上場会社における持株会制度導入のメリットとしては、事業継承(相続)対策が挙げられます。
中小企業の株価が高くなり過ぎてしまうと、事業継承や相続などで支払う株式取得のための対価が高額になり、現金で支払うの難しくなってしまいます。
このような問題を解決するために用いるのが、持株会です。
持株会を設立し、オーナーが保有する株式の一部(経営権に影響しない割合)を持株会に譲渡・贈与することで、将来的に相続財産となる株式を減らすことが可能となります。
持株会のデメリット・注意点
持株会を活用する際、従業員にとってのデメリット・注意点は以下のようなことがあります。
- 株主優待を受けられない
- すぐに売却したくてもできない
- 好きなタイミングで株の購入ができない
- 会社の業績が悪化したときのリスクが高くなる
株主優待を受けられない
多くの企業では株主に対して様々な優待を実施していますが、従業員持株会は自社株の購入を個人名義の証券口座ではなく、持株会の名義で管理しているため、株を購入しても株式優待は受けられません。
もし株主優待のある会社の社員であれば、大きなデメリットになりますね。
ちなみに、弊社は株主優待はありません。
すぐに売却したくてもできない
持株会を通して購入した株式は、通常の株式投資のように売りたいタイミングで売れるわけではありません。
持株会から従業員の個人口座に株式を振り替える手続きが必要になります。
個人が証券会社に取引口座を開設するには、数週間要することもあります。
また、株を売買する際は最低売買数量である1単元ごとになるため、1単元未満の株を現金化するには持株会を解約して買い取ってもらう手続きが必要になります。
これらの手続きに時間がかかるため、持株会で購入した株式はすぐに売却したくてもできない点に注意が必要です。
好きなタイミングで株の購入ができない
持株会を通しての自社株購入は定期的に行われるものであるため、好きなタイミングでの購入はできません。
通常の株式投資であれば、値下がりしたときに買って値上がりしたタイミングで売れるため、株価を見ながらリアルタイムでキャピタルゲインを得られます。
しかし、持株会は好きなタイミングで株の購入ができないため、狙った通りのキャピタルゲインが得にくい点はデメリットといえます。
会社の業績が悪化したときのリスクが高くなる
持株会制度を活用した資産形成は、非常に効率的で便利である反面、収入や資産の会社への依存度が高くなります。
会社の業績が落ちると株価は下落し、保有資産にも影響する可能性が高くなります。
従業員の個人資産という点で考えた時、万が一勤めている会社が倒産してしまうと、仕事だけではなく資産の大半も失くしてしまうことになります。
業績が悪化すれば給与や賞与は下がり、無配当になることも考えられるでしょう。
リスクヘッジの観点から、持株会以外の資産運用を検討することが必要です。
一方、企業側にとってのデメリット・注意点は以下のようなものがあります。
- 配当を出し続ける必要がある
- 状況によってはインサイダー取引の対象となりうる
配当を出し続ける必要がある
持株会制度の導入は、業績が順調で配当を出し続けられるうちは、従業員にも企業にとってもメリットがあり魅力的なものです。
しかし、常に安定した状態で企業経営が行えることはあり得ません。
世界情勢などの影響によって、業績が悪化することは十分に考えられます。
この際、業績悪化によって無配当にしてしまうと、従業員のモチベーションや会社への信頼度が下がってしまう恐れがあります。
だからといって無理に配当を出せば、会社のキャッシュフローは悪化し、経営のかじ取りがさらに難しくなることは間違いありません。
これらを勘案したうえで、業績が悪化してもある程度配当金を出し続けなければならない点はデメリットといえるでしょう。
状況によってはインサイダー取引の対象となりうる
従業員持株会を通じて一定の計画に従い、毎月定時定額の買付(1回あたりの拠出額が100万円未満)を行うことは、インサイダー取引規制の適用対象除外となります。
ただし、情報を得たうえで株式の買い増しをした場合や新たに持株会に入った場合などは、インサイダー取引の対象となりうるため注意が必要です。
私の見解
ここまでを通しての私の見解は、メリットは奨励金がもらえること、デメリットは好きなタイミングで売れないことだと考えます。
奨励金は普通に株式投資してももらえるものではありませんので、奨励金の分まるまるが不労所得になりますね。
一方、好きなタイミングで売れないことはキャピタルゲインを狙う上では大きなデメリットです。
ただ、自分がいい会社だと思って入社している会社です。
一時の株価の上がり下がりで自社株を売り買いするというよりも、どちらかといえば積み立て投資して、配当を得続けることの方が主だと思いますので、それほどデメリットに思わない方が大半かもしれません。
そういう意味では、奨励金のよってはとても良い投資先ではないかと思います。
サラリーマンならではの投資先だと思います。
私のこれまでと今後の持株会の活用
私はまず、これまでの月々の持株会への投資額と、奨励金を調査しました。
その結果、給与から1万円、賞与から3万円が投資額でした。
奨励金は10%でした。
年間配当4%で高配当といわれている中で10%は大きいです。
年間の奨励金の合計額(不労所得)は1.8万円でした。
記事の前半にも書かせて頂いた通り、今回奨励金の比率が制度変更されました。
どのような制度変更かというと、奨励金の額は10%~20%(変動する)になるというものでした。
これまでの10%は固定で、持株会の加入期間で最大5%、弊社業績により最大5%が加算され、最大で20%の奨励金がつくという制度変更でした。
私の場合でいうと、約4年前に転職して持株会に加入しています。
持株会加入期間が5年から1年ごとに+1%増額されますので、現在のところ私は持株会の加入期間での奨励金の増額は0%です。
また、弊社は業績は悪くはありませんでしたので、業績分の増額は2,3%はつくかと思います。
そのため、今年の私の奨励金は12%くらいはつくと思います。
今後の投資額は、給与から10万円(最大額)、賞与から30万円(最大額)に変更しました。
これで、年間の奨励金の合計額(不労所得)は21.6万円となります。
奨励金で15万円ももらえて、配当までもらえるとなると、大きな不労所得になりますね。
みなさんも今まで気にもしていなかった持株会を調べてみてはいかがでしょうか。
意外と大きな不労所得を稼ぎだしてくれるものであるかもしれません。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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