こんにちは、ToMO(@tomo2011_08)です。
2025年12月1日から、いわゆる「103万円の壁」が大きく変わります。
これは、いわゆる”年収の壁”と呼ばれる問題への対策の一環として実施されるものです。
しかし、106万円、123万円、130万円、160万円など、いろいろな数字の壁があって、よく分かりません。
103万円の壁は、結局どんな壁に変わったのか?
その他の数字の壁は何なのか?
「もっと働きたいけれど、扶養から外れると損をするのでは?」「最低賃金が上がっていても、働く時間を抑えなければならないのでは?」という不安を抱えている方も多いでしょう。
特にパート・アルバイトをしている方やその家族、給与計算担当者にとって非常に重要なポイントです。
これらの壁をしっかりと理解した上で、計画を立ててご自身の働き方を考えることは重要なことです。

そこでこの記事では、年収の壁、2025年の税制改正、今後の動きについてなどを解説します。
パートやアルバイトで働く方におすすめの記事になります。
目次
年収の壁とは?
年収の壁とは、一定の年収を超えると税金や社会保険料の負担が発生し、世帯の手取り収入が減少したり、扶養から外れたりする収入の分岐点のことです。
収入が一定額を超えると、それぞれ住民税・所得税や社会保険の負担が発生もしくは増加し、手取り収入に影響を及ぼします。
額面年収が増えても、手取り収入が減少する場合があるため、特にパートやアルバイトで働く人にとっては注意が必要です。
年収の壁には大きく分けて2種類あります。
税金の壁と社会保険の壁
税金の壁:住民税・所得税・扶養控除の有無(100万円、123万円、160万円)
社会保険の壁:厚生年金・健康保険への加入義務(106万円、130万円)
これらの壁を超えると、本人の税金・社会保険の負担が増えるだけでなく、配偶者や親の税負担が増えるケースもあります。

(引用:首相官邸公式HP)
2025年の税制改正で何が変わったのか?
基礎控除の引き上げ
所得税の基礎控除が48万円から58万円に引き上げられました。
給与所得控除の引き上げ
給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられました。
扶養控除の要件緩和
扶養親族の合計所得金額要件が48万円以下から58万円以下に引き上げられました。
これにより、給与収入のみの場合、扶養の範囲が103万円から123万円に拡大しました。
配偶者特別控除の拡充
配偶者特別控除が満額受けられる配偶者の年収上限が150万円から160万円に引き上げられました。
年収160万円を超えると控除額が減り始め、年収201万円を超えると控除がなくなります。
同一生計配偶者の所得要件が、合計所得金額48万円以下から58万円以下に引き上げられたことで、配偶者特別控除を満額で受けられる年収が上がっています。
特定親族特別控除の新設(大学生世代向け)
19歳以上23歳未満の特定扶養親族については、年収123万円を超えても150万円まで段階的に控除を受けられる「特定親族特別控除」が新設されました。
これらの改正により、給与収入のみの場合、年収123万円までは本人に所得税が課税されません(基礎控除58万円+給与所得控除65万円=合計123万円)。
年収の壁の一覧
2025年現在、意識すべき主な年収の壁は以下の通りです。
100万円の壁(住民税が課税される)
本人に住民税(年間数千円程度)が課税されます。
多くの自治体では年収100万円を超えると住民税が発生しますが、自治体によって基準が異なる場合があります(93万円~100万円)。
ただし、税額は比較的少額です。
106万円の壁(社会保険への加入義務)
以下の条件をすべて満たす場合、勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険)への加入が必要になります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円)
- 2か月を超える雇用見込みがある
- 従業員数51人以上の企業で働いている
- 学生ではない
将来の年金額が増える、傷病手当金や出産手当金などの保障が充実するというメリットがあります。
一方で、社会保険料の負担により、手取りが年間約15~20万円減少します。
2026年を目途に、106万円の壁(賃金要件)が撤廃される予定です。
厚生労働省は「令和7年6月から3年以内に撤廃」と発表しており、2026年4月~10月頃の実施が見込まれています。
撤廃後は、週20時間以上働く方は、年収に関係なく社会保険への加入対象となります。
123万円の壁(扶養控除・配偶者控除が受けられなくなる)
年収123万円を超えると、配偶者や親の扶養から外れ、世帯主の税負担が増えます。
また、給与のみの場合、本人にも所得税が課税され始めます。
2025年の改正により、従来の103万円から123万円に引き上げられました。
130万円の壁(社会保険の扶養から外れる)
年収130万円以上になると、配偶者の社会保険の扶養(被扶養者)から外れ、自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。
国民健康保険料と国民年金保険料の負担により、手取りが年間25~30万円減少する可能性があります。
106万円の壁の条件に該当しない場合(従業員50人以下の企業など)でも、130万円を超えると社会保険の扶養から外れます。
一時的な収入増加への対応(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
2023年10月から、一時的な収入増加に対する特例措置が導入されました。
パート・アルバイトの方が、繁忙期に労働時間を延長したことなどにより、収入が一時的に上がっても、事業者が「一時的に入手が上がった」ことを証明すれば、引き続き配偶者の扶養に入ることが可能となる仕組みが用意されています。
具体例:
- 毎月10万円で働くパートの方が、繁忙期の残業により一時的に月収15万円になった場合
- 年末商戦、決算期などの一時的な労働時間増加により、年収が130万円を超えた場合
このような場合、事業主が「一時的な収入増加である」旨を証明することで、扶養から外れることなく継続できます。
利用方法:
- 勤務先に一時的な収入増加である旨の相談
- 事業主から証明書を発行してもらう
- 配偶者の勤務先(健康保険組合等)に証明書を提出
150万円の壁(配偶者特別控除が減少し始める)
配偶者の年収が150万円を超えると、配偶者特別控除が段階的に減少し始めます(201万円まで段階的に適用)。
そのため、世帯主の税負担が徐々に増えます。
2025年の改正により、配偶者特別控除が満額受けられる上限は160万円に引き上げられました。
160万円の壁(配偶者特別控除が満額受けられる上限)
配偶者の年収が160万円を超えると、配偶者特別控除が段階的に減少し始めます(201万円まで段階的に適用)。
2025年の改正により、従来の150万円から160万円に引き上げられました。
この制度は配偶者がいる場合にのみ適用されます。
本人(給与のみ)に所得税が課税されるのは、年収123万円を超えた場合です。
今後どうなる?
2025年10月に発足した高市政権では、年収の壁のさらなる引き上げや給付付き税額控除の導入が政策課題として議論されています。
178万円の壁を目指す動き
自民党、公明党、国民民主党の3党は2024年12月に、年収の壁を178万円まで引き上げることで合意しています。
高市政権発足後も、この方針は引き継がれ、自民・維新・国民民主・公明の4党で協議が進められています。
具体的な実現時期は未定ですが、早ければ2026年度以降の税制改正で実施が検討されています。
給付付き税額控除の導入検討
高市首相は、低所得者層や中間層への支援策として「給付付き税額控除」の導入を提唱しています。
これは、所得税を減税するだけでなく、減税しきれない部分を現金給付で補う制度です。
詳しくは、以下の記事もご参照ください。
社会保険の適用拡大(2026年~)
2026年を目途に106万円の壁(賃金要件)が撤廃される予定です。
さらに、2027年10月には企業規模要件(51人以上)も段階的に撤廃され、すべての企業で週20時間以上働く方が社会保険の加入対象となります。
年収の壁を超えるべきか?
年収の壁を意識して働き控えをするか、壁を超えて収入を増やすか、悩む方は多いでしょう。
年収の壁を超えるメリット
将来の年金が増える:厚生年金に加入することで、老後の年金受給額が増加
保障が充実:傷病手当金、出産手当金などの給付が受けられる
キャリア形成:労働時間を増やすことで、スキルアップやキャリアアップのチャンスが広がる
長期的な収入増:一時的な手取り減はあっても、長期的には収入増につながる
年収の壁を意識して働くメリット
短期的な手取り確保:社会保険料の負担を避け、手取りを最大化
家庭との両立:勤務時間を抑えることで、家事や育児との両立がしやすい
配偶者の扶養内:配偶者の健康保険・年金に加入し続けられる
企業の支援制度
政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」として、以下の支援策を用意しています。
キャリアアップ助成金(社会保険適用時の支援)
企業がパート・アルバイトの社会保険加入に伴う手取り収入減少を防ぐ取組み(賃上げ、社会保険適用促進手当の支給等)を実施する場合、労働者一人当たり最大50~75万円の助成金が受けられます。
一時的な収入増加への対応
繁忙期などで一時的に年収130万円を超えた場合でも、事業主の証明により扶養から外れない仕組みがあります。
まとめ
2025年の税制改正により、年収の壁は大きく緩和され、以前よりも働きやすい環境が整いました。
年収の壁を超えるか、壁の範囲内で働くかは、あなたのライフスタイルや将来設計によって選択が異なります。
短期的な手取りだけでなく、将来の年金、キャリア、家庭とのバランスなど、総合的に判断することが大切です。
制度は今後も変わる可能性があります。
最新情報をキャッチしながら、自分らしい働き方を見つけていきましょう。
不安な点や具体的な相談がある場合は、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することも良いでしょう。
専門家のアドバイスを受けることで、あなたに最適な働き方が見えてくるはずです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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