こんにちは、ToMO(@tomo2011_08)です。
人間誰しも年を取ると、病気になるリスクが高まります。
大きな病気やケガで入院したり手術すると、突発的に高額な医療費がかかることがあります。
日本には、高額療養費制度という制度があり、突発的な高額な医療費負担を軽減できる制度が準備されています。
高額な医療費が出せずに、適切な医療を受けられないということが防げて非常に重要な制度です。
そのため、大きな病気やケガで入院したり手術したときのために、高額療養費制度についてしっかりと理解しておくことが重要です。
また、現在政府で高額療養費制度の見直しが検討されています。

この記事では、高額療養費制度や申請方法、制度改正案などについて詳しく解説します。
高額な医療費に悩んでおられる方や、今後の突発的な病気に備えておきたい方、制度改正の検討案を理解しておきたい方におすすめの記事になります。
目次
- 高額療養費制度とは?
- 医療費負担をさらに軽減する仕組み
- 高額療養費制度を受けるための手続き方法
- 医療機関等の窓口で自己負担分を支払う場合
- 窓口で自己負担分を支払う場合に活用できる制度
- 高額療養費制度があるので医療保険は不要?
- 必要に応じて民間の医療保険を検討しよう
- 制度改正案について
- まとめ
高額療養費制度とは?
高額療養費制度は、医療機関等の窓口で支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に、超えた金額が公的医療保険から支給される制度です。
医療機関や薬局の窓口で負担した金額が、1ヵ月(1日から月末まで)の上限額を超えると、後日、超えた分が払い戻されます。

日本ではすべての人が何らかの公的医療保険に加入しており、これによって医療費の自己負担額が抑えられています。
例えば、小学校入学後から70歳未満までの人であれば、医療費の自己負担は原則3割です。
しかし、入院や手術等で医療費が高額になると、たとえ3割負担であっても大きな金額となり、家計を圧迫してしまう可能性があります。
高額療養費制度は、このような医療費の家計負担を軽減するための公的制度です。
自己負担限度額は?
高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢と所得状況等によって異なります。
年齢の区分については、「70歳未満」または「70歳以上」の2つです。
所得区分については、会社員等の健康保険加入者は標準報酬月額が、自営業者等国民健康保険加入者は、いわゆる旧ただし書き所得もしくは課税所得が基準となります。
旧ただし書き所得とは、国民健康保険料の算定の基礎となる所得で、前年の総所得金額等から住民税の基礎控除を引いた金額のことです。
それぞれの自己負担限度額は、以下の通りです。


医療費負担をさらに軽減する仕組み
高額療養費制度には医療費負担をさらに軽減する仕組みとして、世帯合算と多数回該当があります。
それぞれについて見ていきましょう。
世帯合算
世帯合算とは、同一世帯で、かつ同じ公的医療保険に加入している場合、家族の自己負担額を1ヵ月単位で合算できる仕組みです。
ただし、70歳未満の場合は、合算できる医療費に条件があり、医療機関ごとの1ヵ月の自己負担額が2万1,000円以上のものに限られます。
70歳以上の場合は金額の制限はありません。

なお、75歳以上の人は後期高齢者医療制度に加入するため、75歳未満の家族と合算することはできません。
また、家族が協会けんぽと国民健康保険にそれぞれ加入しているような場合も同様です。
多数回該当
多数回該当とは、直近12か月間に3回以上高額療養費の払戻しを受けた場合、4回目以降は自己負担限度額が引き下がる仕組みです。
多数回該当は、同一世帯での合算による高額療養費にも適用されます。

なお、多数回該当が適用になるのは、同じ公的医療保険で年3回以上、高額療養費の払戻しを受けた場合です。
そのため、年の途中で協会けんぽから国民健康保険に切り替えた場合や、同じ世帯で協会けんぽと国民健康保険で合わせて3回高額療養費の払戻しを受けたというような場合は、該当しないので注意しましょう。
高額療養費制度を受けるための手続き方法
高額療養費制度を利用するには、医療費が高額になりそうな時に事前に限度額適用認定の手続きを行う方法と、いったん窓口で自己負担分を支払い、後で払戻しを受ける方法があります。
それぞれについて解説します。
事前に限度額適用認定を申請する場合
入院や手術の予定がある等、あらかじめ医療費が高額になることがわかっている場合は、限度額適用認定の手続きを行いましょう。
加入している公的医療保険に限度額適用認定の申請を行い、限度額適用認定証を発行してもらいます。
医療機関等の窓口で限度額適用認定証と健康保険証(70~74歳の人はあわせて高齢受給者証)を提示することで、入院・通勤ともに1が月の支払いが自己負担限度額までとなります。

なお、マイナンバーカードの保険証利用に必要となる顔認証付きカードリーダーを設置して、オンラインで保険資格の確認等を行う「マイナ受付」に対応している医療機関等では、限度額適用認定証の提示は不要です。
健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカードまたは健康保険証を提示して、本人が情報提供に同意すれば、窓口での支払いを自己負担限度額までにおさえられます。
そのため、限度額適用認定証の事前の申請手続きは必要ありません。
医療機関等の窓口で自己負担分を支払う場合
限度額適用認定証やマイナ受付での支払いを利用せず、自己負担限度額を超える金額を医療機関等の窓口で支払った場合は、加入する公的医療保険で払戻しの手続きを行います。

手続き方法は加入している公的医療保険によって異なりますが、例えば、協会けんぽの場合は、「健康保険高額療養支給申請書」を本人確認書類とともに協会けんぽ支部に提出します。
高額療養費制度の請求期限は、該当する診療月の翌1日から2年です。
期限を過ぎると、時効により申請ができなくなるため注意しましょう。
また、申請から払戻しまでには、一般的に3ヶ月以上かかります。
払戻しをうけるまでの期間は、自分で医療費を立て替えて支払わなければなりません。
窓口で自己負担分を支払う場合に活用できる制度
限度額適用認定証やマイナ受付での支払いが利用できず、医療機関等の窓口で自己負担分を支払う場合、高額な医療費を一時的に自己負担しなければなりません。
そこで、公的医療保険によっては、次のような制度を利用できる場合があります。
高額医療費貸付制度
高額医療費貸付制度は、当面の医療費の支払いにあてる資金として高額療養費支給見込額の一部を無利子で貸し付ける制度です。
貸付金の返済は、申請した高額療養費の支給により相殺されます。
なお、個の制度の実施の有無や、貸し付けを受けられる対象者、金額等は、公的医療保険の保険者によって異なります。
また、医療機関等の承諾が得られていない場合や、保険料の滞納がある場合は、高額医療費貸付制度を利用できないことがあるため注意が必要です。
高額療養費受領委任払制度
高額療養費受領委任払制度は、高額療養費に相当する金額を国民健康保険の保険者である市区町村が直接医療機関等に支払う制度です。
そのため、この制度を利用できるのは、国民健康保険の加入者のみとなります。
制度を利用すると、窓口で支払う金額は自己負担限度額までになりますが、制度の利用には医療機関等の同意が必要なため、利用できないケースもあります。
また、市区町村によっては、この制度を実施していないところもあるため、事前に確認しておきましょう。
高額療養費制度があるので医療保険は不要?
高額療養費制度を利用すると、医療費が高額になっても、実際に負担する金額は自己負担限度額までとなります。
そのため、民間の医療保険は不要ではないかと考える人もいるかもしれません。
しかし、入院や通院にかかるすべての費用が高額療養費制度の対象になるわけではないことに注意が必要です。
高額療養費制度の対象になるのは、公的医療保険が適用される医療費だけです。
そのため、先進医療にかかる費用や、4床以下の病室を使った場合の差額ベッド代等、そもそも公的医療保険の対象外のものは含まれません。
保険適用外の費用は高額療養費制度ではカバーできないため、全額が自己負担となります。
高額療養費の対象外で全額自己負担になるものは、以下の表の通りです。

また、公的医療保険適用外の費用は高額になる場合が多いことにも注意が必要です。
厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によれば、2023年7月1日における1日あたりの差額ベッド代は、平均6,714円です。
また、同省の「令和5年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」によると、先進医療のなかには自己負担が高額になる治療があり、例えば、がん治療に用いられる陽子線治療は1件あたり平均約266万円、重粒子治療は1件あたり平均約314万円かかります。
入院が長期化したり、先進医療を受けたりする場合は、公的医療保険適用外の費用が高額になる可能性が高く、高額療養費制度ではカバーできないケースも少なくありません。
こうした医療費のリスクに備えるには、民間の医療保険を検討するものひとつの方法です。
必要に応じて民間の医療保険を検討しよう
病気やケガで医療費が高額になった時、高額療養費制度を利用すると、自己負担限度額を超えた金額が公的医療保険から支給されます。
高額療養費制度を使えば、入院や手術等で医療費が高額になっても、家計の負担を抑えることができるでしょう。
ただし、高額療養費制度は、医療機関等で支払うすべての費用に適用されるわけではありません。
先進医療や入院時の差額ベッド代等は、高額療養費制度の適用外になる費用もあるため注意が必要です。
高額療養費制度でカバーできないリスクに備えるには、民間の医療保険に加入しておくと安心です。
医療保険に加入すると、より充実した保障で、病気やケガのリスクに備えることができます。
制度改正案について
2025年8月改正案内容
2025年8月、医療費を軽減するための「高額療養費制度」が大幅に改正され、自己負担額が引き上げられることが検討されています。
この改正は、特に高所得者層にとって負担増となる一方、中低所得者層にも影響を及ぼす可能性があります。
2025年8月の自己負担上限額の変更は以下のようになっています。

- 自己負担上限額の引き上げ
所得区分ごとに自己負担上限額が全体的に増加。特に高所得層の負担増が顕著
- 所得区分の細分化
現行の5区分から13区分に細分化され、所得に応じた負担がより公平に設定されます。
- 高所得層の負担増加
高所得層ほど負担増が大きく、年収1650万円以上の層では最終的に現行の1.75倍に引き上げられる予定
- 住民税非課税世帯の負担も微増
住民税非課税世帯の自己負担上限額もわずかに引き上げ
- 現役世代の保険料負担軽減
現役世代の保険料負担が軽減される見込みです。
医療費増加への対応と世代間の負担バランスを調整
2026年以降のさらなる改正案内容
2026年8月および2027年8月にも高額療養費制度のさらなる改正が予定されています。
これらの改正は、所得区分の細分化と自己負担上限額の段階的な引上げを目的としています。

- 高所得者層(年収1650万円以上)
2025年8月の改正後の上限額(290,400円+1%)から、2026年には367,200円+1%、2027年には444,300円+1%へと大幅に引き上げられる予定です。
- 中間所得層(年収370万~700万円)
2025年8月の改正後の上限額(96,200円+1%)から、2026年には133,400円+1%、2027年には138,600円+1%へと段階的に増加します。
- 住民税非課税世帯
2025年8月の改正後と同じ36,300円が維持される見込みです。
低所得層への配慮が続けられる形となっています。
まとめ
高額療養費制度の自己負担限度額を知り、きちんと利用すれば、民間の医療保険に入っていなくても高額な医療費にある程度備えることができます。
とても重要な制度なので、自己負担限度額があるということについては、忘れないように覚えておきましょう。
また、高額療養費制度で不足がある場合には、民間の医療保険も検討するようにしましょう。
現在も国会で高額療養費制度の改正が審議されていますが、2025年3月現在一旦見送りの方向で、秋までに改めて制度のあり方を検討することとなっています。
いずれにせよ、自己負担限度額の引き上げの方向は変わらないと思いますので、今後の制度改正の状況についても注視していきましょう。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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